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2018.02.20 家の機能
弊社では平成21年より長期優良住宅に取り組みはじめ、ここ数年は全ての新築住宅で長期優良住宅の認定を取得しています。
小さな工務店の経営者の中には今でも「長期優良住宅って書類が増えるだけでメリットないよ」とおっしゃる方がいるようですが、はたしてメリットがないものなのでしょうか?
そもそも長期優良住宅とは何なのでしょう。
戦後に建てられた日本の住宅は質が悪く、20~30年で建て替えなければならない物件が多くなってきました。
短期間で建て替えを迫られると、それによる個人の負担も大きいですし、資産的な価値も小さいので、建物を丈夫で長持ちし、外国のように中古で売買しても価値の下がらないものにしていこうというのが長期優良住宅のはじまりです。
それは表向きの話で、長期優良住宅の普及の真の目的には日本の住宅の質が悪くなった原因の一つである建築確認の「4号特例」を事実上の廃止にしたいという思惑があると感じています。
「4号特例」というのは建築確認の簡略化のために、設計士の責任のうえで図面や計算書の“添付を省略“できるというものなのですが、設計士の責任という部分が軽視されて本来必要な計算や図面の“作成を省略”してしまい、耐震性が不足したり、構造の不明瞭な物件が増えたりして問題化しました。
それは、住宅は大工の棟梁が設計していたという昔から流れと、戦後から増えてきた建築士が設計するという2つの流れのなかで、大工のつくった間取り図を建築士が申請のみを請け負うという形が定着してしまい、「4号特例」があるから申請に必要な最低限度の設計しかしない、というのが当たり前になってしまったということと、図面があっても昔からの大工はプライドが高く設計士の図面を軽視していたというということに原因があったようです。
実際、耐震診断やリフォームの案件でお伺いした建物を調査すると建築当時の申請図面とまったく違う構造になっていることが“よく”あります。
国土交通省としてはこの「4号特例」を撤廃したかったのですが、撤廃することによる実務の増加と、その分の費用(設計料)を簡単に建築費に上乗せできないという実情で、業界団体の猛反発に会い実現できていなかったのを、長期優良住宅というプレミアをつけることで図面や計算書の整った建物を増やしていくという戦略に出たのだと私は思っています。
長期優良住宅が当たり前になって、それ以外は不安だから建てたくないという人が増えれば「4号特例」を廃止することなく、安全な建物を増やすことができるということなのです。
長期優良住宅を建てると、税制やローンの借り入れに有利になるだけでなく、中小の工務店が建てた場合に限り補助金が申請できるということも、この説を裏付けているのではないでしょうか。
結論としては、長期優良住宅はちゃんとした書類が増えることこそが、実は一番のメリットだということなのです。
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